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| 2003年1月17日更新 | コラム(神吉のここが問題) |
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●自治を考えるシリーズ1. 「市議会」 カリフォルニア州では政府法(Government Code)が自治体を規定しています。ただし、州内約500の自治体の内、大都市を中心とした約2割は独自の市憲章をもっており、その圏外にあります。残りの8割が市憲章をもたない「一般法準拠市」(GeneralLaw City)です。 市議10人以上の市議会は珍しく、カリフォルニア州の政府法は、市議会議員の数を5人と規定しています(Government Code, Sec. 36501)。憲章市の場合も、例えばロサンゼルス15人、サンフランシスコ11人、サンノゼ10人となっており、あとは全部10人以下です。一般的に言って、人口数十万の都市で7〜8人、10万以下になると5人というのが標準です。 アメリカ全体を見ると下記のようになっています。(人口は1990年の国勢調査)人口の多い順に40万人規模までの都市の市議数です。 これを見ると、ニューヨーク51人、シカゴ50人、ナッシュビル45人というのが際だっており、あとは大都市でも10〜20人台(時に1桁)であることが分かります。小さい自治体は、5人とか7人の市議数です。 都市名 人口 市議数 ニューヨーク 7322564 51 ロサンゼルス 3485398 15 シカゴ 2783726 50 フィラデルフィア 1585577 17 サンディアゴ 1110549 8 デトロイト 1027974 9 ダラス 1006877 11 フィーニックス 983403 8 サンアントニオ 935933 10 サンノゼ 782248 10 インディアナポリス 741952 29 バルチモア 736014 19 サンフランシスコ 723959 11 ジャクソンビル 672971 19 コロンバス 632910 7 ミルウォーキー 628088 16 メンフィス 610337 13 ワシントンDC 606900 13 ボストン 574283 13 シアトル 516259 9 福岡と規模が近い人口158万人規模のフイラデルフィアで市議17人です。問題は何故市議の数が少ないかですが、 アメリカの市議会は、日本の市議会に比べて「裁判所」のような感じです。市民が「証言」として色々なことを発言し、それをじっくり聞いて前に座った裁判官のような市議が「判決」を下すというように市議会の決議をしていく。ケースバイケースですが、市議会の半分は市民の発言する時間といっていいでしょう。 一方、日本の市議会は市民参加の場所ではなくて、特別の集団が集まって何かやっている場所という感じです。 ところで、給与比較ですが、サンフランシスコの11人の市議の年俸は1982年以来23924ドル(約300万)程度で、82年以前は年9600ドルでしかありませんでした。市の憲章で市議の給料はハーフタイム」(フルタイムの半分の勤務)の給料と規定されているのです。 1996年11月、給料を50000ドルに上げる市議会発議の住民投票が出ましたが、63:37で否決されました。1999年6月の総選挙で、今度は控え目に37585ドル(約510万円)に値上げする住民投票案件(「提案B」)が出て、やっと通ったそうです。(82年以来のインフレ分を加算した額とのことです) 一方、カリフォルニアの政府法では、市長・市議の給料を下記のように規定しています(Government Code,Sec. 36516)。 人口35,000人以下の市 月$300以下 人口35,000-50,000人の市 月$400以下 人口50,000-75,000人の市 月$500以下 人口75,000-150,000人の市 月$600以下 人口150,000-250,000人の市 月$800以下 人口250,000人以上の市 月$1,000以下 この枠以上の給料にする時は住民投票が決めなければなりません。ただし年5%以下の増額に限る、市長(市議の中からの互選)への特別手当は市議会決定でも良い。 このように、カリフォルニア州で7割を占める人口5万以下の市では、ほとんどの市議、市長は月数万円の「月給」で仕事をしていることになります。もちろん、こんな給料で生活が出来るわけがありません。だから、アメリカの小都市の市長、市議はほとんどの場合、自分の仕事を持っているのです。 議員は夜になってから「パートタイム」で市政を担当するというのが普通です。銀行の支店長、小売店のオーナー、不動産屋の社長など「街の名士」さんたちが、夜になると市議会に出て、各種会議を行う。アメリカの市議会が夜開かれることが多いのは、市民が参加しやすいとの配慮の他に、市長、市議らが昼は本業があって出られないという事情も関係しているわけです。 逆に、昼の間、市役所の仕事を監督するのは通常、「シテイマネジャー」と呼ばれる経営のプロです。日本の助役に相当しますが、市長が夜だけのボランティアのような仕事をしていますので、昼の間、実務的に相当の責任を負うことになります。 さてさて、福岡市を例に挙げると、市議会の定員数が62名、給与は約1500万円プラス議会手当てが1日あたり1万(コピーなどの雑費として)・・・、定例委員会で居眠りをしている市議の数は約1/3・・・と、怒りが込み上げて、思わず「税金泥棒」と声を張りあげたくなる次第でした。 さてさてさて、ここからが本題。 日本はアメリカと比べ、「自治体」の主役であるはずの市民の社会参画が余りにも乏しいゆえと言えるのではないか。 アメリカでは自治体の事業主体はNPO法人です。税金を徴収し、予算を配分すのが行政の役割といってよいでしょう。 あくまで、何がしたい、これがしたいと案を出し、実行するのは市民というわけです。 まず、言えるのは、アメリカにおける自治体は地域住民が決議して結成されます。地域住民が決議しなければ、自治体は存在しないというわけです。小さい自治体となると、数十人のものもあります。全国で10万2000もの自治組織が住民に納税義務を課し、一般市民は事業ごとに2重3重の納税義務を負っています。 学校の維持、道路、水道などの各種社会生活に関するインフラ整備、大気汚染などの環境監視などは、区域にとらわれることなく自治組織が独自に行っています。 例えば学校教育は学校区(School District)といわれる住民組織がすべての権限をにぎっていて、全国5万1000の学校区が教育に関するアメリカの自治単位となっています。 これらの事業を規制・監視・調整する機関であるのが議会ですが、公聴会には市民が多く参加し、発言が許されます。 人数制限が無いので夜中まで議論が継続されることも多い。議員も殆どがボランテイア感覚で、給料も少ないため、議会は夜開かれることが多いのが一般的です。 カリフォルニア州の15万人規模の自治体では、市長、市議の給与は月600ドル以下です。 気になる投票率ですが、日本より低い場合もあります。しかしながら、日本とは異なり、投票率が低いからと言って政治への関心は決して低くはありません。むしろ市民参加による行政が立派に機能しており、市民運動に背を向ける議員は当選できない仕組みになっています。市民側もNPO制度により専門家を育成雇用し、本格的な政策提言活動を展開しています。 ですから、市民の自立と社会参画が改革のキーと言えるのではないだろうか。 皆さんのご意見をお待ちしています。 |
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