■第1回シンポジウム資料                                     TOPページへ


■テーマ1
政治、行政の政策決定プロセスの中で市民の関わり方はどうあるべきか?

1.下記は、人口規模が同じ自治体での、日米のコスト比較です

●レイクウッド市 人口75000人 市職員 180人+300人の非常勤職員委託費(アウトソーシング)を含めた歳出総額(99年度)で3000万ドル(約33億円)

●大阪府交野市 人口72000人  職員は非常勤を除く市職員630人歳出 240億円

☆これは何を意味しているのでしょうか?

1970年代後半まで、レイクウッド市も交野市とほぼ同じぐらいの歳出額でした。
が、税負担に不満を強めたカリフォルニア州サニーベル市の住民が、財産税の減税を要求、住民投票で可決したことがきっかけで、行政の業績評価を求める声が大きくなり、住民が政策決定プロセスにも関わるようになりました。

結果、オレゴン州ポートランド市などは犯罪都市として有名でしたが、現在は変わり、全米の手本となるようになりました。

(下記参照)

日本ではどうでしょう?

「諫早湾干拓事業」「川辺ダム建設」などに見られる住民運動、吉野川可動堰、刈羽村でのプルサーマル住民投票などの動きは、地域行政への関心が高まっている現れです。が、一方でどれだけの住民が地方議会を傍聴したり、広報誌掲載の予算・決算を理解したりできるでしょうか。
住民の行政参加は、反対運動だけでなく、日常的な関与が必要ではないでしょうか。

私たちが納める「税金」が、どのような事業に使われ、それが本当に必要 なのか、効率的に行われているのか。日頃から関心を持ち、発言できて初めて、「住民自治」が実現されたといえます。福岡県赤池町、福島県泉崎村などが「財政再建団体」となったのも、行政サイドだけの責任ではなく、お任せにしていた住民サイドにも責任があります。福岡市も、25千億もの債務を抱え、財政は危機的状況。その解決のためにも、「官」「民」一体となって知恵をしぼる必要があると思います。

2.「民」である「市民」は、今後の政治・行政の政策決定プロセスにどう関わるとよいでしょ>うか?

●世界で注目される市民参画型行政 アメリカ オレゴン州の例

1989年、行政の「業績」「成果」を評価するため「オレゴンベンチマークス」制度を採択、1996年から施行、住民とのパートナーシップを大切にする地域行政を目指している    

(Step1)
州政策に係わる全項目の定量目標として「オレゴンベンチマークス」を設定
    カテゴリーは7つ、「Economoic Performance」「Education
    「
Civic  Engagement」「Social Support」「Public Safety」「Community   
       Development
」「Environment

()傾向分析
() なぜこのベンチマークが重要なのか
()このベンチマークに影響を与える要因
() 他の地域との比較 
() どんな仕事をするのか
() 他の情報源

(Step2) 説明責任(アカウンタビリティ)

       「達成度の評価」に関するデータを住民に公開、過去の指標値と目標値をreport
     card
「通信簿」としてAF5段階評価

   92個のアウトカム(成果)指標を使い、州全体が現状ではどんな姿にあり、将
   来どんな姿を目指したいかを、分かりやす時系列表で示し、何故必要なのか、      どのように役立っているのか、オレゴン州はどういう方向に向かいたいのかを   
   表現


(Step3) さらには住民を中心とし知事が議長で構成せれる独立評議会「オレゴンプログ
   レスボード」が設
置されており、行政サイドとの意見交換、住民に対するダイ
   レクトメールの送付、年
30回ものタウンミーティングを行い、住民の意見を反
   映した行政運営を行う
場合によっては、「住民投票」を実施する

(Step4) 予算不足に陥った場合、予算編成で住民の要望を最も重視した上で「緊急性が
    高い」指標に基付
き優先順が決められる


■テーマ2
企業の自助努力による再生方法とは?

※ブッシュ大統領来日と同じ日、ワシントンでは日米財界人会議が行われました。

その席で、倒産の危機にあったダイエーを金融庁が救済することに対し、批判と落胆の声が上がりました。ヨーロッパの政府、経済関係者も同様だったとか。

一方、アメリカは巨大企業エンロンとKマートを「市場原理」に任せて容赦なく倒産させました。ブッシュ政権の経済担当は、これを「創造的破壊」といい、「次にもっと良い企業や産業が生まれる」と考えたのです。

限りある資源を計画的、集中的に投入しなけらばならないときなら、市場介入も意味があります。が、市場経済が成熟し、資源も豊富になった現在では、過度な官僚の介入は、むしろ経済活動の非効率、高コスト化を生むことになります。

(下記参照)
「人口構成」
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A類(高齢者、子供、病弱者、障害者、失業者、専業主婦等)50.7
B類(公務員、議会、政党職員等)3.7
C類(福祉、医療、教育、文化、スポーツ、NGO等)10.1
D類(行政企業(特殊法人、公益法人、第3セクター等)3.1
E類(農林水産系保護団体・個人)4.3
F類(官公需依存企業)6.3
G類(その他)0.2
H類(純粋民間企業)21.6

石井こうき著「日本が自滅する日」より
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☆このように、新しい富を生み出している人(H類)は2割。対して、何らかの形で
「官」に依存している人(
B類〜G類)の割合の方は3割近く。
「資本主義」というより「社会主義」的な社会構造になっているのです。

冷戦後、経済のボーダレス化で欧米諸国が国際競争力をつけることを余儀なくされた
結果、「自助努力」「自己責任」による自由競争社会の促進へと転換させたことで、
再生させたわけです。

法人税 日本 40.87% (2001)   アメリカ(カリフォルニア州)40.75%
          イギリス 30%  フランス 35%   ドイツ 25% (2002)
    アイルランド 24%

日本の法人税は40.87%(2001)、欧米諸国が3040%ASEAN諸国が2030%と、
比較すると、非常に高い税率になっています。

アイルランドの法人税率は欧州1低くすることで、欧州圏の拠点として海外から多く
の企業誘致に成功、今では
IT関連輸出ではアメリカを抜いて世界1です。

経済活性化のカギは、「官」に縛ることなく、起業を市場原理に任せ、「自助努力」
「自己責任」によって、競争力を高めることにあると思います。


☆その「再生方法」には何が必要でしょうか?


■テーマ3
自立した人間を育む教育環境とは?

※「いじめ、学校崩壊、不登校、犯罪の低年齢化」などの問題に加え、日本では
「将来、責任ある地位につきたい」と思う中学生は
3割にも満たない現状です。イギリ
 スでは約
8割、アメリカ、ドイツで7割です。
 逆に、「気楽な地位にいる方がいい」と思う中学生が、日本では6割以上。
 いかに社会に無関心かが分かります。

●米国ハーバード大学は、社会の指導者を排出することを目標としています。

卒業生の就職先は、上位50%がベンチャービジネス、10%がコンサルタント、40%
官庁、大企業に進みます。

「起業に関する 国際意識調査」によると、起業意欲が高い国ほどGDPの伸び率も高くなっています。「あなたは起業する計画がありますか?」との問いに、対象21カ国中、アメリカが最高9%であったのに対し、日本は0.9%。最も低い数字でした。アメリカには「ティーントレナー」(10代の起業家)が10万人もいます。

これまで、日本では「組織」が重んじられ、「集団意識を」育むあまり「画一的な教育」 が行われてきましたが、変化に富む社会では「個人」が重んじられ、「個性」を育む「多様な教育」による新しい創造が必要。そこで、今年4月から、「自ら学び、自ら課題を見つけ、自ら考える力を育て」「生きる力を養う」目的で、「総合的な学習の時間」(年間105110時間)がスタートします。

大学でも改革が進んでいます。スイス・ローザンヌに本部があるビジネススクール、IMD(国際経営開発研究所)が昨年発表した「2001年主要国経済の国際競争力ランキング」によると、主要49カ国中で「大学教育の充実度」が49位という惨状でした。公立大学は「独立行政化」「産学連携」などを進め、この危機に立ち向かおうとしています。

また、世界的にもまれな早さで少子・高齢化が進んでいる日本では、今後高齢者が自らの生活を自らで支えなければならなくなるでしょう。

さらに、企業に一生身を寄せていれば安心だった時代は終わり、能力本位の職体系、給与体系が常識となるでしょう。大人も今までのような依存心を捨て、自分の身は自分で守る姿勢が必要です。「自立」を必要とする今後の日本で、どんな教育環境を創って行けばよいのでしょうか?